治に居て乱を忘れず〜安全潜水講習〜


 物事に、不変なものなどありません。

 様々な「今」がありますが、様々な物事は、
 その時代背景に合わせ、著しく変化してゆくものですね。

 こんにちは。
 ポセイドン 工藤です。

 水中の自然環境を見る、知る、感じる、そして考えること。
 その手法自体も、場合によってはドローンを使ったりと、
 取り巻く背景は変化しています。

 ダイビング自体の価値観も、変化しています。
 グループやチーム主体のダイビングから、
 スクールやサービス、旅行主体のダイビングになり、
 最近はまた、グループやチームの活動も注目されています。

 過去には、ダイビングそのもの、海でゴージャスに楽しむことが、
 ライフスタイル、ステータスになっていました。
 経済の背景もあり、若い方もどんどんダイビングをはじめ、
 器材もはじめに揃えるのが当たり前でした。

 今は、多様なダイビングスタイル、装備を追求したり、
 撮影機器の発達で、誰でも撮影を楽しむことができるようになりました。
 それは、マニアックでもあり、奥深いものです。

 最近の傾向として、F1、M1層の所得と働き方、ニーズを考えて見ると、
 ダイビングの世界は少し壁があるようで、
 広く浅く、より気軽な、体験型アクティビティが人気なようです。
 要するに、スノーケリングか、体験ダイビングです。

 この格差がいけないものではありません。
 しかしながら、ダイビングは確実に、
 F2とM2、F3とM3層が牽引していることは間違い無いでしょう。

 ※F=Female(女性)
  M=Male(男性)
  1=20歳〜34歳
  2=35歳〜49歳
  3=50歳〜

 以上のことから、まとめると、
 「35歳から50歳以上の、撮影などで水中を楽しむ、セルフでも潜る事が出来るダイバー
 が、とにかく元気!と、言うことになるでしょうか?☆



 
 ●インストラクターは影です。
 
 インストラクターは、何でも出来る!
 と、言うのは、少し前の迷信です。

 何でもこなすインストラクターは、
 さまざまな経験や努力によるスキルアップがあり、
 ダイバーとして、何でも出来るわけです。

 と、言うことは、
 潜水講習のインストラクションと、何でもこなすスキルは、
 実のところ、別物なのです。

 何でもこなし、インストラクションも行えるのは、
 すっごいダイバーと言うことになります。

 なので、何でもこなすと云う部分は、今回は抜きに書きます。

 そもそも、インストラクターは、
 安全な潜水の指導者で、得意分野は、
 講習生のみなさまが、効果的にスキルをマスターするように管理したり、
 わかりやすいようにデモンストレーションを行なったり、
 模範になるように勤めたり、目標を掲げて動機付けを行なったりと、
 安全に対する姿勢を示すところなのです。

 トレーニングも、目標を伝え、デモンストレーションを行い、
 コツを伝え、フォローしたりしますが、
 結局のところは、講習生自身の発見学習を管理、促進することが中心です。

 さらに、コース終了後は、ダイバーとして様々な水中環境を楽しみ、
 また、考え、ご自身の生活を様々な形で豊かにしていただくことが本懐で、
 決して、自分のショップに囲い込むことが目的ではありません。

 講習中も、認定後も、
 主役はお客様であり、
 インストラクターは、いわば、影の存在なのです。




 会社から見て、現役インストラクターは、
 プレイヤーではありますが、
 お客様から見ると、プレイヤーはお客様自身で、
 インストラクターは、コーチです。

 コーチは、プレイヤー以上に、目立つことはありません。
 目立つとすれば、派手なサーフパンツと、色が抜けた髪の毛、
 そして、焦げた褐色の肌くらいでしょうか(笑)

 Facebookの活用方法は、
 自分たちのホームの今、会社の今などを発信しているわけですが、
 いいね!がつくと、やっぱり嬉しいものです。

 ですが、プレイヤーたるお客様が楽しむ先の、
 ダイビングサービスの投稿に対する いいね!の数と、
 インストラクターの いいね!の数は、2桁くらいの差が出ます(笑)

 でもそれは、エンターテイナーであり、現役プレイヤーのガイドと、
 影の存在であるインストラクターの、あり方の違いですから、
 世の中のインストラクター諸君、がっかりする必要は、無いですよ!

 さて、ここで、本題です。
 前置きが長くて、すみません。
 先日、インストラクターとして、嬉しい一言がありました。

 「避難訓練ですね!

 これが、私の心に、ビシッとハマりました。




 ●治に居て乱を忘れず

 この、ことわざは、
 平和な時でも、世が乱れた場合を考えて備えなさい。
 と言う意味です。

 前述までのお話のつながりとして、
 ポセイドンのダイビングスクールは、
 セルフダイビングを行なっているダイバーも大切なお客様です。
 
 5月に行なった、シーズン前のプールリフレッシュの流れから、
 6月18日に、海でも安全のための潜水講習を行うこととなりました。
 一番嬉しいことは、内容はもちろんですが、
 「安全に対する姿勢、意欲」です!

 私たち人間は生き物です。
 不変なものではありませんから、
 その時々の「今」を考えなければなりません。

 そして、いつも、何気なく楽しんでいるホームの海。
 色々見ながら泳ぐと、水面移動も含め、
 650mを超えることもあるのです。

 最大水深は10〜11m
 平均水深は概ね、7mほどでしょうか。

 ダイビングを牽引している年齢層。
 毎年同じように、体が動くとも限りません。
 疲れれば、呼吸パターンだって変わり、空気消費量も変化します。

 そこで、バディにトラブル、アクシデントがあったら??
 
 大切なのは「今」の自分を知ること、
 そして、計画を立てて潜水すること、
 もちろん、アクシデントに備えることなのです。

 楽しいダイビング活動のためには、
 備えること。これに尽きます。




 ●避難訓練ですね!

 この日は、結果的に凪ましたが、潜水中は微妙にうねりが入っていました。
 なので、活動に制限も出てしまいましたが、予定としましては、
 
 DIVE1
 ・バディコミニュケーションを図る
 ・遊泳後に、バディの引き上げ練習
 ・バディを曳航する
 ・水面で器材を脱装する
 
 DIVE2
 ・バディごとに、ルート計画を立てる
 ・バディチェックを実施する
 ・計画通り実施する

 そして、配点された地点ごとに証拠写真を撮影し、
 計画した時間内にエキジット、点数を算出すると言うものでした。

 オリエンテーリングに少し近い感じですけれど、
 ゲーム感覚も大切な要素ですよね?




 参加された皆さんの疲労度合いと、
 海象、時間的なことを勘案し、
 全てを実施することはできませんでしたが、

 「避難訓練ですね!
 「年1回は実施が必要ですね!

 と、嬉しい言葉をいただきました。
 もちろん、自発的なものです。
 
 これこそが、私たち、インストラクターの本懐です。

 とても、嬉しく、清々しい気持ちになれました。

 これを機に、
 様々な水中世界を、
 安全に楽しんでいただければ幸いです☆

 積丹町 美国。
 今、ウニ漁が最盛期です。
 潜った後は、地元の「食」を楽しみました。




 あ、そうそう、
 ポセイドンでは、
 NAUIダイバーレスキュースペシャルティコース
 NAUICPR & First Aid
 DAN 酸素供給法
 も、開催しております。

 みなさま、是非、受講申し込みを
 ご検討くださいませ!

コメント