SubArctic Diving 2016 ”然別湖コタン・アイスダイビング 1”


 全域的に、亜寒帯湿潤気候である「北海道」
 縦に長い日本列島ですから、
 亜熱帯も、亜寒帯も存在いたします。

 ダイビングは、南の島でのイメージが強いですが、
 それはダイビングを行っていないかたのイメージであり、
 実のところ、昔から、寒さ厳しい北国でもダイビングは盛んでした。

 もちろん、日本だけではなく、
 海外においても、冷たい海や、氷の湖などで、
 多くのかたがダイビングを行っています。

 と、言うことで、
 北海道にあるポセイドン。

 その地理的な価値をみなさまへ知っていただきたく思い、
 シリーズ「SubArctic Diving 2016」を、
 しばらくつづって行きたいと思います☆

 とは言っても、通年「亜寒帯」な訳ですから、
 今回のシリーズは、水温が10℃未満までの出来事を、
 ブログにつづる事にいたしますね♪

 まずは、然別湖コタン☆アイスダイビングから。


○然別湖コタンとは?


 1月28日から3月21日まで開催されている、然別湖のイベントで、
 今年は36年目にあたります。

 完全結氷する湖面に、雪と氷で作られたイグルーなどが造られ、
 冬の自然と調和した世界を体験する事ができます。
 また、アイスバーとホールでのライブも大人気です☆



 ぜひこちらのサイトも、ご覧ください。
 然別湖コタンウェブサイト

○然別湖コタンと温泉

 コタンという、ビッグなイベントと併せ、
 美味しい食事と温泉が、ココロとカラダを癒してくれます。
 
 アイスダイビングも楽しいですが、
 実は、、アイスバー、温泉、食事がメインと言うお客様も??




○アイスダイビングとは?


 私どもが在籍しておりますNAUIの定義によると、
 アイスダイビングとは、”固定状態にある氷の下に進入することである。”
 と、なっています。

 また、アイスダイビングを行うには、氷の厚さも重要で、
 2.5cm厚では、水中からは脱出できないものの、
 氷上に立つ事は、割れからくる落水などで危険。

 最低でも15cmは必要とされています。

 然別湖の氷は、薄氷でも、浮き氷でもありません。
 厚さ約60cmほどもある、丈夫で、キレイな氷です。



 その中へ、ダイバーは進入してゆきます☆

 湖の氷の下、、どんな世界なのだろう?
 と、考えた事がある方は、意外と多いと思います。
 トレーニングを受ける事で、それが実現します。


○アイスダイビングのリスク


 アイスダイビングは、リスクを伴います。
 いくつかご紹介いたします。

 まずは、容易に水面へ浮上する事はできない世界という事です。
 氷の厚さが、たった2cm程度であっても、
 水中から、割って脱出する事は困難です。

 出入り口は、1箇所であり、必ずそこへ戻らないと、
 いつもの大気中には帰る事ができません。


 そのため、必ずロープを使用します。
 ただし、このロープも必須とはいえ、絡まってしまう事も多いのです。
 従って、ロープの取り扱いに慣れなければ、うまくいきません。


 ロープは基本的に「中性浮力」で、程よい1cmくらいの太さが必要です。
 長さはポセイドンの場合、最長20mを用意しています。

 救助者用のロープは30mほどで、「プラス浮力」のものです。


 アイスダイビングは、最低でも、
 バディと監視者(テンダー)の3名+レスキューダイバーが必要で、
 それぞれが、ロープの取り扱いに慣れている必要があります。

 もう一つの重要な問題は、レギュレーターの凍結です。
 これについては、過去のブログを是非ご覧ください。
 コールドウォーターダイビング

 行動範囲は、レギュレーターの凍結も考えて、
 十分残ガスで出入り口へ戻られることが大前提になります。

 以上の代表的なリスクから、
 NAUIでは参加基準として、
  ・年齢18歳以上
  ・アドバンスダイバー資格認定証
  ・潜水本数50回以上(内、ドライスーツでのダイビングを20本以上)
 という前提条件があります。

 もちろん、マイギアをご用意しており、使い慣れていることも必要です。

 何れにしても、楽しい世界ではありますが、
 安易に氷の下へ進入する事は、危険なのです。
 それが薄氷であってもです。

 ちなみに、NAUIアイスダイビングインストラクターは、
  ・オープンウォーターダイビング100回以上
  ・アイスダイビング25回以上
  ・アイスダイビングの指導補助10回以上
 を、すべて満たさなければ、アイスダイビング講習はできません。


 然別湖コタン アイスダイビングへの初回参加は、
 初日1本、2日目2本の合計3本のトレーニング潜水を実施し、
 アイスダイビング認定を登録させていただきます。

 余談ですが、このアイスダイビングと
 流氷ダイビングは別の認定資格なのでご注意ください。

○アイスダイビングの楽しさ


 リスクについてご覧いただきましたが、
 何故スクーバダイバー講習の時に、アイスダイビングは、
 特別なトレーニングが必要ですと指導されたのか?

 ご理解いただけた事と思います。

 知ってほしい、見てほしい、体験してほしい。
 と、いう言葉を、ダイビングのお誘いで、よく使われておりますが、
 そのためには、必要な準備があるという事も「知ってほしい」です。

 アイスダイビングは、安易に体験ダイビングを実施できません。

 
 まずは、どういう水中世界なのかを理解、意識し、
 必要な経験、スキルトレーニングを行い、
 継続的に潜りながら行動範囲を広めてゆくことが大切です。

 そうすることで得ることができる、アイスダイビングの魅力とは、
 ズバリ、
 ・実施までの経験と準備も充実した楽しみに。
 ・水中の氷は、ダイバーしか見られない。
 ・達成感
 ・その後のアフター
 では無いでしょうか?

 と、いうことで、2月13日、14日
 巷ではヴァレンタインデーですが、
 ホワイトチョコのような、氷と雪の然別湖へ行ってまいりました。


 まずは13日のことを次のブログでつづります。

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