然別湖ウチダザリガニ防除潜水ツアー 2015秋


 10月24日〜25日
 神奈川、東京出張から戻った週末、
 然別湖でのウチダザリガニ防除ツアーへ。

 毎年、秋に開催しておりますが、
 今年は特に日程調整が難しく、
 ようやく実施することができました。

美曼パノラマパークから十勝平野を望む。

しかめんにて。新そばです。

 このツアーに関しましては、
 過去にも投稿しておりますので、
 細かいことはこちらもごらんください。
 →過去のウチダザリガニ防除ブログ

 さて、突然ですが、
 環境保全をテーマにしたダイビングツアーは、
 なかなか持続することが難しいと思っています。

 水中環境についての活動ですから、
 潜って実際に確認することが不可欠です。
 
 ましてや、人間は、
 聞いたり、映像を見ることで確認こそ出来ますが、
 自分の目で見るまでは、なかなか実感がわかないものです。

 増え続ける、外来生物のウチダザリガニ。
 カゴを入れ、集中的に防除活動を行っており、
 たくさん捕獲することができますが、、、

 潜水で確認すると、まだまだ沢山ザリガニが。

 手の打ちようが無いくらい難しい問題ですが、
 誰かが直接目視しながら防除を継続することが大切。
 それができるのは、やはり、ダイバーです。

 ですが、なかなか現実は難しいものなのです。
 
今回参加いただきましたみなさま。

 潜水業者を入れて防除作業などを行わせるためには、
 そのための予算が必要になります。
 増え続ける現状と、そのための予算繰りは難しい問題です。

 私どもPOSEIDONは、ツアーとしての防除活動を、
 鹿追町や然別湖ネイチャーセンターによる防除の応援として、
 小さいながら、継続してまいりました。

 潜水業者と違い(とは言っても、弊社も潜水業者ですけれど。。)
 ダイビングツアーとして実施することで、この問題を、
 公開可能な範囲ですが、多くのかたがたへ発信することが出来ます。

 また、参加者にメリットがあれば、
 継続的にツアーを実施することができます。

 ボランティアを募るよりも、
 私どもがツアーを開催することで、
 安全管理上のリスクを弊社が引き受けることができます。

 それでも、難しさが消えたわけではありません。


倒木の陰に隠れています。

落ち葉は絶好の隠れ家です。

石の隙間に隠れています。

 問題の一つは、”飽きられてしまうこと”です。
 時間とお金を、より楽しいことに使うことを考えると、
 新しい何か?へ、自然と流れてしまうものです。

 ボランティアとして、すべてを無料にすると、
 運営費の出どころについて問題が発生します。
 そして、いつの日にか、飽きられてしまいます。

 防除活動部分はボランティアとしてですが、
 そういう活動機会や全体的な楽しさがあれば、
 有料でも参加いただけるものと思っています。

 ただ、有料ですから、常に新しい「楽しみ」を作り
 そして、変わらない「楽しさ」を、
 多くのかたへ発信することが大切です。

 いかに、新鮮さを保つか?なのです。 


まだまだ、たくさん隠れています。

 もう一つは”モチベーション”です。
 いつもと違ったダイビングを楽しむことが出来ますが、
 根底には
 「自然にいいことしている、誰かの役に立っている」
 「自分の行動が、喜んでもらえている」
 と、言う気持ちがあるものです。

 この気持ちを持続していただくことが、
 保全活動の持続につながる決定的な要因だと思っています。

 この気持ちを削がれてしまうようなことは、
 絶対にあってはならないのです。

 一般論として、どうしてもこういう活動は、
 凝り固まったセオリーや、関係者だけの範囲で、
 机の上で議論されてしまうことが多いですね。

 一方通行的な企画だけで、人が動くのではなく、
 やはり、お互いの感謝、「気持ち」のつながりで、
 人は動くものなのではないでしょうか?
 
中性浮力スキルとライトは必須。

 もう一つは、”スキル”です。
 上の写真は然別湖でのものですが、
 保全活動は、こういう環境での活動もあります。

 無理は出来ないことと、活動効率を考えると、
 今回も決して深い潜水ではなく、
 最大でも9mまでの範囲です。

 湖水面で約810mですから高所域にあたります。
 水温はこの時で8度。
 したがって、深度と時間は慎重になります。

 また、水底は、巻き上がりやすい腐泥。
 湖ですから、浮力も海とは違います。
 この状況で、水深が浅いことも加味しての浮力調整。

 失敗すると本人だけではなく、
 周りのグループにも影響が出ます。

 透明度も5m未満。
 夢中になりすぎると、逸れるなど大変危険です。

 なので、「誰でもウェルカムではない」
 一見さんお断りに、ならざるを得ないのです。


初日は2ダイブ。

 以上の、
 「飽きられるかもしれない」
 「モチベーションが削がれるかもしれない」
 「高いスキルが必要かもしれない」

 これらがクリアできて、保全活動は継続できる。
 と、思うのです。

 今回の然別湖ウチダザリガニ防除のための高所潜水ツアー
 上の3つの要素が、現段階ではクリア出来ていると、
 私は実感しています。

 ただし、これからも、バランスが取れるように、
 PDCAを回してまいりたいと思います。


210匹捕獲しました。

記録後塩ゆでに。

くちびる山

気圧計は898hPaを計測。高所です。

楽しい夕飯です☆

 然別湖での活動は、
 水中では、いつもと違った潜水ができます。
 なおかつ、自分のスキルを見つめ直すキッカケにもなります。

 そして、捕獲したウチダザリガニ。
 茹でて命をいただきます。
 
 ホテルへ戻ると、温泉です。
 風水さんには、仲良くしてもらっている山田さんがいます。
 それと、お客様からとても評判がいいのです。

 ザリガニ防除で潜っていることを理解しており、
 「お疲れさまでした、いつもありがとうございます」
 と、言ってくださいます。

 これは、先に書きました「気持ち」の部分。
 正直、潜っていると何かしら怒られるんじゃないか?
 と、肩身の狭い気持ちの方が多いダイビング活動。

 おかげさまで、胸を張って潜ることができます。

 お食事も美味しいですし、最高の気持ちになれます。


生花体験に参加しましたw

悪ふざけしすぎました。が、綺麗でしょ?

生花のライブも開催されていました。

きれいですね☆

翌日は荒れました。

少し天候回復??

やっぱり吹雪ました。。

雪と強風の中でのダイビング。

準備中も、とても寒い。。

水中は決して簡単ではありません。

ザリガニを発見!

爪に白い部分があるのが特徴です。

でも、かっこいいですよね。

上がって計測します。

完全に冬です。

環境省の担当官が出張前に計測下さいました。

 それと、然別湖ネイチャーセンターによるアクティビティ。
 これがまた、ツアーを楽しくしてくれます。

 今回は、残念ながら荒天のため、早朝カヌーは中止。
 ダイビング後に「エアトリップ」を楽しみました。


雪の中のエアトリップ!

寒いけど、楽しい!

風が強かったです。。

景色はとてもいいです☆

勉強になったかな?ヨッチくん。

 エアトリップは単なるワイヤーアクティビティではありません。
 ネイチャーセンターの「まっつ」によるインタープリテーション。

 まっつこと松本さんは、すごい。
 「ウグイスのホーホケキョを日本語に訳すと
 「縄張りに入ってくるな!」なんです。」

 こういう表現、例え方、簡単そうに見えますが、
 実はかなりハイレベル。なかなかできないですよ。
 そして、生き物の目線でワイヤーにつられてエアトリップ!

 ポセイドンのファンダイビングが、目指したいところなのですが、
 ファンダイブ担当の、ヨッチの心に響いたかなぁ??

 爽快なだけではなく、
 様々なことを知り、また気づき、
 心が豊かになれる、そんなアクティビティです。

 然別湖ツアーは、
 潜水だけではなく、
 周辺の自然環境や宿泊場所、アクティビティが、

 ココロとカラダに作用する

 そういうツアーだから、
 いままで継続できたのだなぁ。
 と、思うのでした。

 これからも、可能な限り、
 続けさせていただければ、ありがたいです。


鹿追牛のハンバーグ☆

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