知床・羅臼ウィンター合宿 2015【行き】


 2015年も、あっという間に3月末。
 なんというスピードでしょうか …

 先月の然別湖コタン アイスダイビングから早1ヶ月となり、ヴァレンタインからホワイトデーと、なんだか落ち着く暇がありません。

 その1ヶ月、私は、決算セール、学科講習、潜水士安全教育講習、救急法、専門学校の学年末試験、高圧ガス保安係員法定講習、プール講習、営業、風邪で寝込むなど、まだまだやることは多いのですが、多忙な毎日でした。

 そして迎えた3月13日〜3月15日

 行ってきました!

 「知床・羅臼 ウィンター合宿」

 今回は2回に渡り、その内容を書いていこうと思います!

釧路ガスの球形貯槽。


 知床・羅臼 ウィンター合宿とは?

 環境の変化に弱いのが人間。
 環境に順応するのもまた人間。

 北海道ダイバーと、ひとくくりに言うのが、
 果たして正しいものなのだろうか?

 答えは解らない。ただ言えることは、
 北海道と言ってもとても広く、
 札幌から羅臼までの距離は469km。


 東京都から京都府まで、
 東名自動車道経由で461km。


 東京都→神奈川県→静岡県→愛知県→三重県→滋賀県→京都府とほぼ同じ距離ですから、北海道とは言っても、気候も海も全然違うものなのです。
 
 よくある話で、経験豊富なインストラクターでも、それは「講習経験」が豊富なわけで、やはり慣れていない場所はアウェイ状態であり、いつもの能力は発揮できないどころか、初心に戻ってしまう。

 さらに、極に近づくにつれて、海などの環境はどんどん過酷になっていき、本当にいっぱいいっぱいになってしまう。

 それが普通なのであり、恥ずかしいことでもなんでもない。それを第三者がバカにする話でもないのです。

 大切なのは、慢心することなく、その環境を楽しみながら、トレーニングを行い、スキルアップすることです。

 これは、インストラクターやガイドだけではなく、お客様にだって当てはまることですし、ツアーにすることで、みんなで得る達成感や、楽しさ、弱さの発見、次への目標と期待感と、とても有意義なものになるのです。

 それが、羅臼ウィンター合宿ツアーなのです!

秘密ってw

 ポセイドンでは、札幌から羅臼まで、釧路を経由します。
 これには幾つか理由があります。

 1、雪道及び残留窒素の観点から峠を通らなくて済む。
 2、釧路周辺の食がすごい!

ピカタです。豚肉が卵の下に!

有名なスパカツです!

 釧路の有名店「泉屋」
 ヴォリュームも、美味しさも、大満足なのです!


写真は翌日の朝です。


 札幌出発 0730
 羅臼到着 1700
 途中昼食を摂ったり、休憩もこまめに取ったり。
 運転は正味8時間程度で、2名で交代運転。

 ポセイドンでは、4時間を超える長距離連続運転となると、2名以上での交代運転としています。

大きいよ!ヒグマ


 宿は、私のお気に入り「らうす第一ホテル」
 温泉露天風呂もあり、お食事も美味しい☆

 昨年は、ヴォリュームありすぎたので、
 普通のコースにいたしましたが、
 それでもすごい!

美味しそう!

鹿肉のシチューです!


 合宿ツアーでのポイントは、
 やはり食事と疲れを癒す温泉です。

 初日は、運転の疲れを温泉で癒し、
 翌日のダイビングに備えるのでした。

知床ダイビング企画の関さんです。


 二日目はダイビングです。
 お世話になっています。

クリオネって、写すの難しいです。


 積丹との違い、然別湖アイスダイビングとの違いはなんなのだろうか?



 同じ北海道でも、この3地点、全く違う環境なのです。
 寒冷地と言っても、メーカーは(レギュレーターは)10℃未満の水温を寒冷地としていますし、また、ある文献では4℃以下はコールドウォーターとしています。

 要するに、レギュレーター凍結のリスクが、ぐんと高くなる水温です。

 然別湖は淡水なので、0度で水は凍ります。
 羅臼は海水なので、マイナス1.8度で凍り始めます。

 今年のデータでは、然別湖で0.8度。
 羅臼でマイナス1.5度。

 どちらも、凍るリスクはとても高いです!
 
 こちらのバフンウニは、でかい!


 それでも、然別湖はエントリーホール付近で、すぐにエキジットできる環境。潜水時間も一般的なアイスダイビングと同じ20分程度なので、そこまでリスクは高くありません。

ドロップキックw


 羅臼はそうはいきません。
 
 水深は25m〜30mまで行きますし、
 潜水時間も40分〜45分です。

 ディープダイビングですから、凍結しても、すぐには浮上できませんし、10分ごとに体の冷えが強くなってきます。

ラウスカジカを撮影中


 思考能力も低下します。
 窒素の影響も多少はあるのでしょうが、
 寒さゆえ、思考能力が低下するのです。

ラウスカジカ


 典型的なのが、写真撮影。
 集中して写すことが、とても困難です。

こういう顔です。


 思った以上にシャッターを切っていない。。。
 ピントが合っていない。。。
 何を撮りたいのかわからなくなる。。。

 寒さは、想像以上に、集中力を削ります。

ナメダンゴ

写すの難しい。。


 輪をかけて、この日のダイビングは、
 うねり。。。
 流れ。。。

 結構ハードでした(汗)
 
色が綺麗ですね!


 寒さ+水の動き+雪中のエントリーエキジット
 =かなりの疲労

 ちなみに、我々の装備は完璧です。

オオカミウオを見ています。

まだ幼い感じですね。

いっぱいいました。


 これだけ、北海道の極地
 「知床・羅臼」は、手強いのです!

 わたくしたち、道産子寒冷地ダイバーでもです!

 参加者みんなで話すのは、
 「積丹(冬)は、リゾートだねw」
 と言う冗談なのです。

すっごいアカボヤ

巻き上げではなく、うねりの影響

結構うねっていました!


 それでも、経験して行くと、環境に順応するものです。

 羅臼で楽しむダイバーは、かなりいらっしゃるんです。

 みんな、素敵なお写真を撮っています。

 珍しい生物、可愛い生物。
 迫力の生物、何が出るかわからない!

 そんな特別な海だからこそ、
 過酷な環境でも、
 みなさんリピートして潜るわけなのですね。

ブリーフィング中

休憩所の屋根w

 知床・羅臼 ウィンター合宿ツアー

 過酷な環境下にあって、
 しかしながら、ダイバーごころをくすぐるような、
 特別な海がそこにあるんです。

 行けばわかります。
 潜ればわかります。
 
 我々は、来年も、この合宿を継続して実施いたします。
 
 まずは積丹でドライに慣れて、
 然別湖アイスダイビングで寒さなどに慣れ、
 北海道の極地「羅臼合宿」にチャレンジしてみてください!


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